「英語が上達しない、辛い」3つの原因と対処法【②丁寧さ】
更新日:2021年11月2日

■「英語が上達しない、辛い」3つの原因と対処法【②丁寧さ】
こんにちはMegです。
「英語が上達がしない、辛い」という人の3つの原因は、
・「整理整頓」が不十分
・「丁寧さ」に欠ける
・「楽しん」でいない
でした。
前回は、一つ目の英語が上達しない原因と対処法【①整理整頓】を以下の流れで説明しました。
1)整理整頓が不十分な人とは
2)整理整頓の目的
3)対処法:整理整頓の仕方
要は、頭の中を整理整頓して、「できること」と「まだできないこと」を分類する、そして、後者を集中的に学習することで効率を上げる、という方法でした。
具体例を含み、詳細にご興味ある方は下のリンクからご覧下さい。
今回は、二つ目の【②丁寧さ】です。
<目次>
②丁寧に学習に取り組もう!
1)英語学習で「丁寧さ」が欠けるとは?
2)丁寧でないとなぜダメか?
3)対処法:どうすれば丁寧に学習できるか?
の流れで説明していきます。具体的に見ていきましょう。

■【原因と対処法②】丁寧に学習に取り組もう!
1)英語学習で「丁寧さ」が欠けるとは?
ここでの「丁寧さ」とは、学習における丁寧さのことで、英語での丁寧なあいさつや断り方の表現のことではありません。
レッスンでは、毎回宿題が出ます。「今回はP10とP16」をやってきてくださいと伝えたとします。すべての生徒さんがしっかり宿題を提出し、とてもまじめに取り組んでくださるのですが、提出された課題にも大きく分けて二種類あります。
一つは、がんばってとにかく全体をカバーしているのですが、抜け落ちが多いという内容。拝見すると、「あらー、いっぱい落ちていますね」という完成度の課題を出して下さっています。
もう一種類は、忙しくてP10 だけしか(つまり半分しか)できなかったけど、非常に精度の高い課題を提出するケースです。P16は空白ですが、P10はほぼ完璧です。
いずれのケースが上達につながると思いますか?
でも確実に上達するのは、後者の方、つまり量は半分でも丁寧に仕上げているケースです。
生徒さんは通常ビジネスプロフェッショナルで、とにかく忙しいのは重々承知です。どうしても量的にこなせないという日はあります。そして、いつも同じ人が前者のケースというわけではありません。
上達に量は必須なので、いつまでも少ない量でいいと言うのではありません。一方で、量だけたくさんこなせば内容は大雑把でいかというと、それは逆効果です。
とりあえず量をたくさんやっていると、達成感はあります。けれども上達にはつながりません。まずは、少量でも丁寧に課題に臨む習慣をつけましょう。
2)丁寧でないとなぜダメか?
かなり昔、留学前の当時の私は、「たくさん読んで、たくさんシャドーイングして、たくさん話すのがいい」という勉強法を行っていました。
80年代でインターネットもなく、情報が今のように溢れていませんでしたが、英語教材はたくさんありました。
当時、意識は「たくさん」という量にばかり向いていました。たくさんやろうとすると、1日24時間しかないので大雑把になる箇所が増えます。「すっ飛ばしながらでもいいから、たくさん量をこなす」という方法で、しばらく熱心に学習していました。
けれども、期待した効果はほとんど得られず、総じて私の英語は上達しませんでした。
途中でこの方法はダメだなと気づき、方向転換しました。少量だけど骨までしゃぶるつもりで深く丁寧に、という方法に変えたのです。
すると、以前聞けなかった音が拾えたり、聞けるようになった単語や表現をスピーキングにも使えるようになってきました。少しできるようになると、うれしくてもっと努力します。
ここから量にシフトすればいいのです。最初は、同じ教材(ただし優れた教材でないとダメ)を隅から隅まで徹底的にこなすことをおすすめします。リスニングなら、どの音も聞き取れるレベル。それをスピーキングに使えるレベルにまで慣れた状態になれば、次の新しい教材に移る、という方法です。
これは一見、時間がかかる方法ですし、もっと早く上達したいと思うかもしれません。しかし「急がば回れ」とはこのことです。
レッスン中に、心ここにあらずという生徒さんが時々います。今日は「レッスン3」をやっているのに、次の課題の「レッスン4」に気持ちが在るのです。早く次へ、と気持ちが焦っているのです。これでは今日のレッスンが大雑把になり、上達の機会を逃します。結果、こんなにたくさんやっているのに「上達した気がしない」ということになります。
まずは、自分が無理なくこなせる量を何回も繰り返し、徹底して学習しましょう。このスピードもやっていくうちに速くなります。そこから次第に量も増やしていきましょう。
上達に量は不可欠です。けれども、丁寧さを犠牲にして学習したら本末転倒。量は丁寧さの次です。

3)対処法:どうすれば丁寧に学習できるか?
まずは、「丁寧に臨む!」という意識を持ちましょう。「早く、早く」と大雑把にやってしまう人には、焦ったり、慌てたりする傾向があります。
たくさんやることがいいという思い込みがある人は、この思想を捨てましょう。
次に、無理なくできる範囲を決め、その範囲内をすべて完璧にやり切るつもりで取り組んでください。
例えば、先ほどの事例でP10 とP16の宿題が出た場合、「全部出さなきゃ、うわー!いっぱいある、どうしよう?!」と受け止めるのではなく、「P10だけでもいいから完璧にやるぞ!」という意識です。
「とにかく全部やる」ことに意識が向くと、「宿題のための宿題」になってしまいます。そうではなくて、「英語上達の手段としての宿題」ですよね。自分のために勉強しているのです。スクールに通うことや、宿題をこなすことが目的ではありません。
この宿題を使って英語が上達することが目的なら、質が伴った量でないと、もったいないです。量優先だと、やった気になる=「アリバイ」作りに終わるからです。
次にスピードを落とすことです。
例えば、シャドーイングの練習で考えると、精度が高いとは、/ə/ や /ðə/、/ə/ や語尾の /d/のような、弱い聞き取りづらい音も確実に拾えるようになるということです。
ついていけないなと思ったら、すぐにスピードをついていけるところまで下げます。そして、微妙な音を聞けるようになるまで何度も繰り返し聞き、発音できない単語を飛ばさずに何十回も口に出して、できるようになるまで練習するという方法です。
できるまで、同じ素材で聞き込みましょう。「そんなんじゃ、少ししか進まない、上達なんかしないよ」と思うかもしれません。そうではないのです。
この繰り返しの努力は、その個別の箇所だけに活かされるのではありません。一か所でこの音が聞き取れるようになると、その他の箇所でも聞こえるようになります。応用がきくようになります。
すると、理解が「大体こういうことを言っているのかな」から、「こう言っているんだ」に変わります。
スピーキングでは、「このページの例文はすべて空で言える」、というところまで覚えきってしまいます。すると、自信が「これで伝わるかな?」から、「あのネイティブと同じ例文を使っているから、必ず伝わる」となります。

■今回のまとめ
・一つ一つ丁寧に、精度高く仕上げる意識を持って取り組む
・量とスピード重視で大雑把に取り組むと、取りこぼしが発生し、上達しない
・対処法:まずは同じ素材を骨までしゃぶるつもりで完璧に仕上げる、そのあと量を増やす
「早く大量に」から、「ゆっくり丁寧に」に意識を切り替えて、英語学習に取り組んでください。
■次回の内容
ここまで、英語学習において、①整理整頓と②丁寧さが重要であることを説明してきました。次回はシリーズ最終回、③楽しさの大切さについて、少しカジュアルにご紹介します。エンタメ系のトピックも出てきますので、リラックスして読んでいただけますよ!
■でもやっぱり英語が上達する気がしない人へ
ここまで読んでいただいて、それでもやっぱり丁寧さに取り組めないと思う人は、焦りがあると思います。早くやればいいこともありますが、とくに英語学習で本質的な部分を強化するためには、スピードよりスタミナです。ゆっくりでも長く続けることが必須なんです。
私は元来せっかちでいつも「早く、早く」と焦るタイプなんですが、やっぱり効果が出ないのは空しいなと実感しました。時間、労力、ときにはお金もかけて努力するのなら、効果という見返りがほしいです。
そのためには「急がば回れ」。回っていると近道も見えてきます。その時にダッシュすればいいのです。
A journey of a thousand miles begins with a single step.
Rome was not built in a day.
Slow and steady wins the race.
のスピリットを意識に植え付けていきましょう。
■最後に練習問題
「丁寧な学習」の練習として、今日は以下のビデオを見て、一語も漏らさず完璧に音が取れるかやってみましょう。3分弱のビデオです。
最初は映像を見ずに音だけ聞いて、聞き取れない箇所があるか試してみましょう。もし聞けない箇所があるなら、何十回でも完璧に聞けるまで、覚えてしまうまで聞き込みましょう。
子供用のビデオですが、大人にとっても深い内容です。
ClassDojo45
https://www.youtube.com/watch?v=Iv5Bect7Zj0
皆さんの英語上達を応援しています!
